セレンディピティな日々 ~神様が届けてくれた白のランニング~

今月、小学校で泊まりのイベントがある息子。夏休み中に目を通すようにと学校から冊子をもらってきたり、保護者会で「早めに準備を」、「お風呂は15分以内で入れるようにご家庭で練習しておいてください」、「衣類を畳めるように」などなど指示があったり、自分のことがもっと自分でできるようにステップアップする格好のチャンスと母もワクワクしている。

「ママ、先生がね、今週末に80パーセントくらいは準備しておくようにって」
へぇ、まだ少し先だけれど、あんまり楽しみじゃないと言っていた割に珍しく早めの行動をとりたがる息子の意をここは尊重したいよね。なかなか真面目でよろしい(笑)。

「タオルでしょ」
「次の日の着替え一式、下着も、靴下もね」
準備は着々と進んでいった。
「お弁当はその日になってからだよね、これでオッケーだ!」
よくできました。

スッキリとした表情で
「これで週末あとはのんびりできるぅ」
なんて言いながらゲームを始めようとしている。まぁよかろう。…と、ふとある事に気づいた。すぐに成長してしまうので下着はいつも3枚買って着まわしている、そのうちの1枚、荷物に詰められちゃった。でもやる気になって自分から詰めてたから取り出すのもなぁ。それは最後の日でいいよ、って言えばいいだけの話なんだけど、最近忘れっぽい母だから
「ほら、下着持った?」
って言い忘れて結局持たずに行っちゃった、なんて事になったら嫌だなぁ…。でも炎天下に汗びっしょりで帰ってくると1日に2枚使うから、あと1枚は欲しいかも、あ、次のサイズ買ってあったか?あれを出せばいいか…とかごちゃごちゃと考えながらそのまま週が明けた。

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数日後。仲良しのママ友さんとのお茶へゴー。
「久しぶり、元気?」
彼女の手には袋がふたつあった。
「これ、お裾分けとお土産。それから子供の下着、よかったらもらって。」
彼女と私は気心知れない間柄でこういうものの行き来がよくある。服や靴のお下がりやサイズ違い、買ったけど子供が着なくてとか理由は様々だけれど助かっている。その時も深く考えずに
「わー、ありがとう!」
と頂戴した。

帰宅していただいた袋の中を見ると、彼女が言っていた下着が気の利いたメッセージと一緒にビニール袋に入っていた。あ…もう一枚あったらいいなと思っていた白のランニング!!

こうして何となくあるといいなと思ったものをお友達を通じて贈り届けてくれるなんて、神様も粋な事をしてくれるではないか。クスリと心をくすぐられ、微笑みながら頂いた白いランニングを干した。一瞬、次はもっと大きなお願いをしてみようかと私の欲深い部分が顔を出す。いや待て、こういうのって、とてもありがたいし!何といってもセレンディピティな体験を通じて小さな幸せを感じられる瞬間を与えてくれた。生活密着型の神様、ふふ。

次の洗濯物…と何気なく洗濯バスケットに手を伸ばすと息子が昨日履いたズボンだった。ポケットのあたり、丸くゴロンとしていて硬いものが手に当たる。
「あ、またやったな!」
先週に引き続き、ポケットからティッシュの出し忘れ。「人生楽ありゃ苦もあるさ」も同時に思い出させてくれた神様、次は息子用のミニ・ポケットティッシュがいいです、笑。

Meg Y

静岡県焼津市出身・在住。大学時代に1年間休学しアメリカでインターンシップを経験。素晴らしいホストファミリーに恵まれ、いつかまたアメリカに渡ろうと心に誓う。大学卒業後日本で米企業に就職するが4年後にタイミングが訪れ再度渡米、ニューヨークでミュージックビジネスの学位と修士を取得する。家族には2年で戻ると言って出発したにも関わらず結局15年をニューヨークで過ごす。レコード会社、有名ブランド、金融機関勤務を経て2015年にアメリカ人の夫・当時1歳の息子と共に日本に帰国。久々の日本生活、初めての専業主婦業、そして日本語がわからない夫。ドタバタの帰国生活が始まった。

After studying and working in New York City, Meg Y returned to her home town Yaizu with her American husband and son. As a dedicated mother with business and music backgrounds, she writes about her life, experiences, memories - from small daily things to bigger, deeper thoughts.

#焼津 #静岡 #Yaizu #Shizuoka #NewYork

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