New York, NY

今日は住所の話。

ニューヨークのレコード会社で働いていた時代、アジアの担当だったので日本への出張もよくあった。東京のある会社を訪ねた時だ。今だったらスマホの地図アプリに住所を入力すれば迷わずに辿り着くのだろうが、当時はガラケーの時代。その上土地勘のない東京で住所だけを頼りに目的地を探すのはとても大変だった。その時日本の住所がとても複雑なのに気付いた。クネクネと細い路地を、住所を見ながら歩いていると、隣同士でもかなり番号が飛んでいたり一貫性がないというか。結局、
「近くまで来ているのですが…」
と訪問先の会社に SOS の電話をしたのを覚えている。

ニューヨークに行った事がある方は多分ご存知だと思うが、住所さえあれば大体迷う事なく目的の場所に辿り着く事ができる。というのも、一部のエリアを除いては碁盤の目のように建物がきちんと並んでいるし、番号もちゃんと順番になっている。例えば、何丁目の何番から何番は何番街と何番街の間というのが大体わかるようになっているし、道路の北側が奇数で南側が偶数、というのまで決まっている。南北に通っているアベニューは北に行けば番号が大きくなるし、東西に通っているストリートは5番街を中心に East・West が別れていて番号が大きくなる程中心から離れて行く。一部のエリアを除いてはと言ったが、ウォール街近辺からマンハッタンの最南端に向けたエリアやウェスト・ビレッジなんかがその例で、道がカーブになっていたりして3回曲がっても同じ場所に戻らなかったりするからどっちに向かっているのかわからなくなって迷いやすい。

さてさて、皆さんはニューヨークと聞いて何を想像するだろうか。多分大抵の人が大都会ニューヨーク・シティの摩天楼を頭に浮かべる事だろう。これはマンハッタンの風景。ニューヨーク・シティ(ニューヨーク市)には5つのボロー(区)がある。マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクスにスタテン・アイランドだ。ニューヨークに旅行に行く際には目的にもよるだろうが皆大体マンハッタンのホテルを選ぶだろう。市の中心に近いように書いてあるけれど値段が安目のホテルはマンハッタン外の可能性が高い。住所が New York, NY となっていればマンハッタンだ。

更にニューヨーク市はニューヨーク州にあって、市の外に出ると大きな自然が広がっている。例えば私が最初に留学したオネオンタはキャンパスにリスもうさぎも鹿も出没してしまうザ・ど田舎だった。住所は Oneonta, NY。ニューヨークをよく知らない日本人だったら摩天楼からさほど遠くないと推測するだろう。ところが実際にはバスで5時間の距離だ。9・11(アメリカ同時多発テロ事件)の時は心配して日本から電話をたくさんもらったけれど、見えも聞こえもしない距離だった。皆さん、住所の州が NY となっていても NY はとても広い。お出かけの際には注意しましょう。


「ニューヨ〜〜ク♪」聴くたびに恋しくなります❤︎☟

ニューヨーク・シティ初心者だった頃を振り返る筆者の爆笑初エッセイです。☟

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