英語教育に熱心な日本、だけど英語がとても苦手な日本
「英語を話せるようになりたいけれどどう勉強したらいい?」
よく聞かれる。そして近頃はお母様方も非常に教育熱心で、特に英会話は赤ちゃんからクラスがあったりする。それでネイティブ級に話せるようになるかと言うとそうではないのだけれど、小さい頃から英語という言語や英語を話す人に親しんで、教科としての英語というバリアを持たなくなるという意味では大いに役に立つと思う。
もっと上のレベルを目指したい(子供に目指してもらいたい)、という場合は英語を週1回のクラス以上にマメに使う必要がある。例えば家族ぐるみで使ってみるとか。というのも言語は日々聞いて使うことで習得するものだから。
私が英語と出会ったのは小学校卒業に近い頃。中学から英語教育が始まる娘のことがちょっと心配だったのだろう、美容室を経営していた母親がお客さんからNHKラジオの基礎英語がいいと聞いてきた。かなり自由な子育てで教育に関してもああしろこうしろと言わなかった母が基礎英語のテキストを購入してきて
「やってみたら」
というので私も深く考えずにレッスン1から始めてみたのだった。
毎朝6時(だったか)、まだ寝ている姉を起こすまいとラジカセの前に耳を寄せて
”Repeat after me.”
と言われると小声でリピートしていた。ある日、起こされて迷惑そうな姉の口から出た言葉は
「そんな小声でやってないでやるならちゃんと声出してやりな」
だった。なーんだ、やっぱり起こしちゃうんだ、それじゃあとそれからはしっかり声を出してやった。途中でちょっと難しくなったな、と思ったところもあったけれど、そういう時は再放送を聞いたりして乗り越えたような気がする。記憶の限りではレッスンを休んだ日はない。次の年も続基礎英語を毎日続けた。継続は力なり。その2年間のラジオと学校の勉強とで私の英語の基礎はしっかり出来上がったと言っていい。他の科目の成績が悪くても英語だけは自身があったし、英語は私にとっては勉強というよりは趣味の習い事に近くなっていた。英語を好きになるきっかけを作ってくれた母と姉には感謝、感謝だ。
次に、完璧でなくていいからとにかく聞いて話す、ということ。英語で話しかけられた時に「ちゃんと答えないと」とカチコチになってしまうのが日本人が一番超えなくてはならない壁だと私は思っている。相手もひとりの人間、別にとって食われる訳ではないのだから頑張って相手の言いたいことを理解しようとする姿勢と周りを気にせずにコミュニケーションを楽しむ気持ちを持つのが大切なんじゃないかと思う。外国人がカタコトの日本語で話していても笑うどころか一生懸命理解してあげようと思うものね。
ただ、やっぱり基礎はしっかりとマスターしておくのがいい。日本の義務教育で習う英語、しかも中学校くらいまでで十分じゃないかな。大学受験で出てくるような難しい表現は知っていればなおさら良いというだけのことで、日常会話なら知らなくても問題なく出来る。日本語だって知らない言葉がたくさんあるのだから英語だってそれでいい、他の言葉に置き換えたり説明できる力さえあれば。例えば林檎=apple を忘れたら
「あの赤くて丸いフルーツ」
というと相手は大抵
「林檎?」
とくる。
「そうそう!それ!」
会話成立だ。
相手にわからないと言える勇気もあるといい.。アメリカ国内でアメリカ人と会話をする場合、英語がわかると思って話してくる。適当に聞き逃さないで
”Can you repeat, please?”
などと言ってみよう。それでも同じ言葉を同じスピードで繰り返す人が殆どだと思うので slowly とか in other words(別の言葉で言うと)といった表現を使うといい。
月に一度程度、夫と一緒に息子が通っている幼稚園の英会話をボランティアで担当しているが、子供たちはとても楽しそうに
”Hello!”
とホールに入ってきてくれる。ちょっと騒がしくなると耳に手を当てて
”Listen!”
と言ったり人差し指を鼻と口の前に立てて
”Shhhh, quiet!”
と小さな声で言うと静かになるし、夫と私の英語を聞いてそのまま素直にリピートするので発音もとてもキレイ。このままずっと英語を楽しんでくれたらいいなぁ、というのが英語を出会い・コミュニケーションの手段として楽しんできた私の願いだ。
中学生の頃、英会話を習っていた頃(昔のバージョンですが)使っていました。☟
英語の曲を歌うのもいいと思います(ビートルズはオススメです。)☟