Have you ever been Ninja?
息子とよく遊んでくれる同級のお友達にはとても愛らしい妹さんがいる。この「妹ちゃん」、いつも元気いっぱいでよく笑いよく食べるハッピーガール、まさに「天真爛漫」だ。お出かけ先で作業をしている知らないおじさんにもスキップしながら嬉しそうに
「おじさんヤッホ~!」
と声をかける。あんな可愛い小さなお嬢さんから「ヤッホー」なんて言われたらおじさんだって疲れが吹っ飛ぶに違いない。彼女の屈託のない、ひまわりのような笑顔からは私もいつも元気をもらっている。
昨年、その彼女が年少さんの時、ふた家族で遊びに行った際の出来事。思いっきり遊びまわったあと、ピクニックシートを広げて皆でお弁当を食べていた。息子と週末に出かける時には急な予定変更にも対応できるようにおにぎりを持って行く事が多いが、この日もメニューはパパッと握ったおにぎり、以上(笑)。おかずもちゃんと作って持参していたお友達のママが
「よかったらどうぞ」
と言ってくれた。その中にキュウリがあった。
実は私、親しい友人たちの間ではちょっと有名な「キュウリ嫌い」だ(張り切って言えることではないが。)好きな人にはなかなかわかってもらえないのだが、キュウリはかなり強い匂いがする。子供の頃はお皿同士が隣にあった物も手を付けない程の徹底ぶりだった。物心ついた時から嫌いだった上に、小学校の給食の時間に「残してはいけない」派の先生に強引に口に入れられトイレにダッシュしてからはプチトラウマ化してしまった。以降、面倒なので「アレルギー」と伝えることが多くなった。
ただ、実際はアレルギーではないので、時と場合によっては断りに
「前世カッパだったものでキュウリを食べ過ぎちゃって…」
とふざける事がある。この日も子供らにそう言ってちょっと困った顔をしてみせた。すると、私の隣でおにぎりを頬張っていた妹ちゃんが「えっ?!」という顔をして一瞬凍り付き、恐るおそる私の顔を覗き込みながら
「カッパなの?」
と細い声で聞いてきた。
「カッパ?カッパなの?」(もういっかい聞いちゃう)
なんて可愛いの~っ!罪のない子供を脅かしてしまって申し訳ないと思いつつも、あまりのキュートさに爆笑してしまった。私はこういう、子供らしさというか、素直さ・純粋さが大好きだ。
アメリカでインターンとして学生たちに日本のことを教えていた時も、「純粋さゆえ」の質問を受けたことが多々あって、その都度驚きながらも楽しんでいた。その代表は、
“Have you ever been Ninja?”
だ。ニンジャを見たことがあるか聞かれたのではない。ニンジャだったことがあるか、だ。私自身が。あの子も真剣に、大きな目をキラキラさせて前のめりの体勢で聞いてきたっけ。みんなニンジャが大好きだものね。アメリカ人が現在でも西部劇のように生きていると思う日本人(いる?)のように、あの子も現代ジャパンにはニンジャが潜んでいると思ったのだろう、笑。
まだまだ可愛い「妹ちゃん」だが、我が家の小学2年生は幼き日々からの卒業の段階にさしかかっている。最近になってようやく一本めの歯が抜けたので、
私:「Tooth fairy(歯の妖精)がコインを置いて行ってくれるから今夜は枕の下に抜けた歯を置いておこうね」
息子:「え…。ボク、それってママじゃないかなーと思うんだけど…。」
かなり控えめな表現で返してくれたが、相当怪しんでいる様子。子供の成長が嬉しい反面ちょっと淋しい、おセンチな母である。
アメリカでもニンジャは大人気!