TOKYO 2020
東京オリンピックまであと僅か。歴史的イベントであるオリンピックを自分の目で見られるチャンスとあって、アメリカ人の夫は日本に移住して以来の大盛り上がりだ。普段はスポーツ観戦など殆どしないくせに。その割にチケットの申し込み期間に入っても応募する様子もなく、
「何の競技でもいいから申し込んどいてー」
と私に丸投げ状態。どうやら雰囲気を味わいたいだけらしい。そこで私は5歳の息子でも興味を持ちそうで、早めの時間帯で、値段もそこそこで…といくつか選んで応募してみた。
結果、見事に落選。がっかりした夫は諦めがつかず、
「せめてイベントの雰囲気だけでも楽しみに東京に遊びに行こうよ」
と言い出す始末。ニューヨークを経ってから、滅多にお祭り騒ぎする機会もなくなったのだし、息子にもいい思い出になるだろうからまぁいいか。暑いのが大の苦手な夫の事だから、
「あづい~っ!」
と文句タラタラの旅になる事は目に見えているが。
さてさて、8月になって一次抽選に漏れた人向けの追加募集があった。申し込みましたよ、もちろん。今回は一種目しか申し込めないけれどかわりに第二希望まで受け付けてくれるそうで、申し込み可能な競技のリストと睨めっこをしながら第一・第二希望と選んで、申し込みボタンをクリック。ところが、申し込み期限間近になって組織委員会からeメールが届いた。読んでみると、「あなたは二種目選んで申し込んでいるので、このままだと落選しますよ」という警告だった。操作を誤ってちゃんと第二希望の選択ができていなかったらしい。すぐに登録し直したが、あのままでは落選していた。組織委員会さん、親切にありがとう。でも、私のようなミスをしてしまった人は他にもいるんじゃないだろうか。そして警告メールをもらったにも関わらず、見過ごして落選、という人もきっといることだろう。
余談だが、私の叔父は1964年の東京オリンピックで聖火ランナーをつとめた。小さい頃母の実家に行くと、聖火を持って走る叔父の写真が壁に掛かっていたのを覚えている。先日、息子の体操教室で市の体育館に行ったらその見慣れた写真がロビーのショーケースに入っていて驚いた。更に、私も見たことのなかった叔父が着たユニフォームまで展示されていた。叔父はきっと人生の晴れ舞台で着たユニフォームを大事にしまっていたのだろう。半世紀以上経ちまたオリンピックが日本で開催されることになって、思い出のユニフォームが市のショーケースに展示される日が来るとは思ってもいなかったに違いない。
当初から様々な問題が指摘されている東京2020。トラブル続きのイベントにならないように願うのみだ。そして追加募集で応募したチケットが当選しますように。