音楽の時間
エピスリー芒種(https://www.facebook.com/bousyu/ @epicerie_bousyu)という素敵なお店がある。小中学校の同級生Yちゃんのお店だ。エピスリーという言葉、実は日本に帰って来てから初めて聞いた。フランス語で食料品店を意味する言葉だそうだ。どこからともなく「Yちゃんがお店を開いた」と聞き、店名のおしゃれな響きとネットで見た可愛らしい店頭の写真に惹かれて一度お邪魔したいと思っていた。
他にも行ってみたいという理由はあった。Yちゃんは昔からサバサバとして飾らない性格、気さくで話し易かった。だから中学卒業以来殆どの同級生と会っていないしあまり覚えていない人も多い中、顔から声までハッキリと思い出せてしかも好感度いっぱいの彼女には是非会いに行きたかった。女性事業主として頑張る彼女を応援したかった。
自宅から車で30分くらいとそう遠くはない距離にあるお店なのだが、お店の事を知ってから暫くは伺う機会がなかった。ある日、そちらの方面に行く用事が出来たので「よし、行ってみよう!」と思い立ってお邪魔してみた。ネットで見たのと同じ、フランスの小さなお店をイメージさせる可愛らしい入り口の前に車を停める。ちょっと緊張して入ってみると、
「いらっしゃいませ!」
Yちゃんのハツラツとした低めの声が迎えてくれた。
「こんにちは」
と挨拶しながら笑顔でYちゃんの顔を見ると、Yちゃんは一瞬の間の後に
「メグちゃん?!」
とわかってくれた。嬉しいよ、Yちゃん!
店内はまるで宝箱のようだった。普段使うような食材だけど見たことのないブランドやパッケージの数々。Yちゃんが太鼓判を押して直接仕入れている、クオリティーの高い品々だ。そんじょそこらの食材店とは違う。そして大きなセラーにズラリと並ぶワイン。あのセラーを見たら、今晩はワイン!と思ってしまう。そしてなんとYちゃん、ソムリエの資格にも合格していた。すごいなぁ。酒に弱く今ではグラスに3センチ注がれたビールでほろ酔いする私だが、ニューヨーク時代には赤ワインが好きだった…という話をYちゃんにすると、
「どんなのが好き?」
と私にピッタリのワインを選んでくれた。実はその日はボジョレーの解禁で1年で一番忙しい時だったそうだ。そんな日にお邪魔してしまったにも関わらず、嫌な顔もせずに丁寧に接してくれたYちゃんだった。
それからずっとまた行きたいと思いつつもブランクができてしまい、先日やっとお邪魔することができた。すると、Yちゃんは前回買ったワインを覚えていてくれた。感動!今回はこれ試してみたらと別のワインを選んでもらってから、
「子育てもちょっとひと段落ついてきたし、また歌おうと思うんだけど…」
と話をすると、
「すぐそこの、角の歯医者さんの先生、ギターできるよ!紹介するからよかったらうちの店で一緒にやってよ!」
とぴーっとお店を飛び出して昼休み中の歯医者さんの窓の外から
「先生~っ!」
と手を降って先生に紹介してくれた。Yちゃんのその行動力に驚くと同時に思いがけぬ事の運びにドキドキワクワクしてしまう私だった。しかも、その歯医者さんが何と私の姉の高校の同級生!あっという間に
「じゃあ是非お店で一度ご一緒しましょう」
となったのだった。
そんな運びでエピスリー芒種さんにて、楽しい音楽の時間が始まった。皆の都合が合う時に不定期で開催。お店の美味しい飲み物・食べ物をつまみながら、あぁ、なんて贅沢な時間なのだろうか。まだまだ選曲と練習が中心なのに、座って聴いてくれて
「また来ます!」
とおっしゃってくれるお客さんまで早速いて、ありがたい限りだ。I先生・Yちゃん・私の年代のハートを鷲掴みする70-90年代の曲だったり、スタンダードだったり、ジャンルもこだわらずに色々とやってみようと思う。
お近くの皆さま、是非一度足をお運びください。厳選された品々、そして店主でソムリエのYちゃんの気さくな人柄とひたむきな姿勢に魅せられてお店のファンになる事間違いないですよ。
大好きなカーペンターズの曲も歌わせてもらいます!カレンの声ってどうしてこんなにステキなのでしょう。