Sick and tired of being sick and tired

英語の表現にSick and tiredというのがある。うんざりする、飽き飽きする、嫌気がさすという意味で
“I’m sick and tired of his selfishness!” (「彼の身勝手さにはうんざり!」)
なんていうふうに使う。だから今回のお題である “Sick and tired of being sick and tired” というのは「うんざりする事にうんざり」となる。

日本に引っ越して来てからモヤモヤした時期があった。マタニティーブルーとか産後うつとかとは違う感じの、自分自身に対するモヤモヤ。それはニューヨークのペースで15年間ガンガン生きてきた生活のペースが失速した、日本に引っ越して来たての頃が大きかったように思う。育児はとても大切なことで念願のフルタイムのママになれたのはとても嬉しいのだけれど、そちらにエネルギーを注げば注ぐほど自分自身は立ち止まったという感じがしていたのかもしれない。人間は前進・向上している感覚がないのが一番辛いんじゃなかろうか、と思う。

余談になるが、マタニティーブルーとか産後うつになるのは少しも不思議なことではない。自分以外の人間、それもまだ人間としてしっかり形成される前の「ちいさいひと」とずーっと一緒なのだ。生まれて暫くは寝不足の日々が続き、夜寝てくれるようになる頃にはちいさいひとは歩く事を覚えるので常に追いかけ回すことになる。そして魔のイヤイヤ期が始まる。この頃のちいさいひとはとても厄介で言葉がわかりはじめているくせにちゃんと両方向のコミュニケーションがとれない。何でもいちいち否定され逆を行かれしばしば泣かれるというのは非常に疲れる。パパ達が仕事で疲れるというのなら、たちの悪い同僚とか部下を想像してほしい。彼らだって少なくとも意思の疎通ははかれるしやろうねっていうことができなければそれなりの、大人の対応ができる。付き合いを避けることだってできる。しかしちいさいひとと一緒のママは24時間毎日お付き合いせざるを得ず、自分の時間すらない。私は息子ひとりでこんなことを言っているが、お子さんが2人、3人、4人(この辺で私の動悸が激しくなる)それ以上といるママさんたちはもう狂乱手前なのではないか。

さて本題に戻ると、ニューヨーク時代は仕事をバリバリこなし昇格だ昇給だ新しい仕事だと社会を渡り歩き、週末もバリバリ社交という、とにかくめまぐるしいペースで物事が動いてゆく感覚があった。そこから焼津の専業主婦というのはギャップが大きかったのなんの。突如やって来た穏やかすぎる日々。子育てに専念できる幸せを感じつつも自分の中の調整が大変だった。

ここ最近、その立ち止まっていた感じというのは実は幻覚なんだと思えるようになった。確かに自分の計画が思うように進まなかったのは現実なんだけれど、ほんの微々たるスピードでも進んでいたし、何よりも子育てを通じて子供と一緒に自分が成長できていると思えるようになった。

いずれにしろモヤモヤが発生した時、することはただひとつ。新しい状況を作り出すこと。Time to move on! なのだ。誰にでも1日は24時間と決まっているし、ごちゃごちゃ言っても始まらない。もう “Sick and tired of being sick and tired” だ。何かしら行動を起こして前進あるのみ。少しニューヨーク時代のゴーゴーメンタリティが戻って来たのかもしれない。

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