どんどんたまっていく思い出のもの
私の少女時代には今のようにデジカメやテクノロジーが普及していなかった。中学校くらいまで音楽はテープで聞いていたし、ビデオはVHS、写真は現像してネガと一緒に戻ってくる時代だった。同年代もしくはそれ以前の皆さんは幼少時代からの写真がどデカいアルバムに収められていないだろうか。そういった写真や思い出の品の数々を皆さんはどうしているだろうか。
大学卒業後静岡の実家から通勤していた私。アメリカ留学が決まり2年後には戻りますと親に告げ、私の部屋はそのままの状態で出ていった。結局2年のはずが15年になり私の部屋は姪っ子に受け継がれた。帰国する毎に
「あんたのもの、いっぱいあるけどどうするー?」
という家族からのプレッシャーで古い衣類や靴はほぼ処分した。でもどうしても処分できずにとっておいたものが結構ある。それも実家の押入れスペースをかなり占領していたので、実家の隣に引っ越したタイミングで全て引き取った。ダンボール6個分。写真、インターン時代に頂いた思い出の品々、卒業アルバム、等々。これを更に減らしていくのが今後の私のミッションだ。
更に、息子が幼稚園に通うようになると毎学期末にかなりの数の作品がおうちにやってくるようになった。あまりの数に、ママ友たちに
「どうしてる?」
と聞いてみると、全部とっておいてあるという人もいるものの写真に納めたら処分するというのが主流らしい。とあるウェブサイトには、その写真を年に一度本にして祖父母にプレゼントするというママさんのアイデアも紹介されていた。
先日、両親が実家の庭にある物置の掃除をしていた。以前、私のランドセルを見かけたこの物置、とにかくモノが詰まっている。
「これじゃあ使いたいものがすぐに見つからない!手伝うからいらないものを処分しようよ。」
と日頃から言っていた手前、ちょっとは手伝おうと覗いてみると出てくる、出てくる。姉や私の幼稚園時代の手形、先生からのメッセージ、小学校時代の交換日記、更には成績表やテスト用紙まで。存在すら忘れていたものの数々が出て来た。ひと通り目を通して懐かしむのは大掃除の際に避けては通れない儀式のようなものだ。ただし、今回はもとに戻すのではなくて懐かしんでからさようならをした。
高校時代の同級生はお父さんが亡くなりお母さんと一緒に住むようになった際、実家に業者に入ってもらい一切合財持って行ってもらったそうだ。
「卒業アルバムなんかは?」
と聞くと、
「うん、多分そういうのも全部」
ケロリと言っていた。私の姉もそんな感じで、姉の持つ思い出の物というと卒業アルバムくらいしか見たことがないし、逆に私がとっておいた姉の結婚式の写真やプログラムを本人が見て
「へぇー、こんなのよくとっといたね」
と言われるくらいだ。潔く手放せるってちょっと羨ましい。私も彼女らを見習って早いところ身軽になろうと思っている。今年のスプリング・クリーニングは色々やることがあるぞ。