妊娠、誰も教えてくれなかったこと

私が息子を産んだのは40歳の時。いわゆる高齢出産だ。当時はニューヨークに住んでいて日本の母親と遠かったために近くでアドバイスをくれる人がいなかった。便利なもので近頃はウェブサイトで何週目の胎児の様子がどうだとか母親の身体のことなどを知ることができるのでかなりお世話になった。

妊娠に関しては最初から驚きの連続だった。まず、高齢だからかなかなか妊娠できずに検査薬を使ったテスト結果にガッカリというのが数ヶ月続いた。「できちゃった結婚」などという言葉があるくらいだからもっと簡単にできちゃうのかと思っていたけれど、年をとってくるとこんなにタイミングを計ってもできないものだったのね。年に一度、加入している健康保険で婦人科の検診を受けられたのでついでに聞いてみると
「30歳くらいまでだったら1年様子をみましょうと言うけれど、あなたの場合はこの後3か月経っても妊娠しなかったら旦那さんも一緒に相談しましょう」
と言われた。そしてそのちょうど3ヶ月後にようやく妊娠できたのだった。

私の姉はつわりがひどくてゲーゲーやっていたので私もそうなのではと恐れていたが、私の場合は「食べつわり」というものだった。空腹になると気持ち悪いので勤務先に毎日ベイビーキャロット、セロリスティック、グレープトマト(プチトマト)やフルーツなどを持って行っては仕事中にポリポリポリポリと食べていた。

妊娠後期になってお腹が大きくなるととにかく寝苦しい!妊娠以前に知るきっかけがなかっただけなのだけれど、これは教えて欲しかったかも…。でも知っていたら妊娠するのが怖くなっていたかもしれないからこういう情報は敢えて伝わらない方がいいのかな、とも思ったり。昔、バージニアのホストマザーに
「妊娠するってどんな感じ?」
と聞いた時はひとこと
“Heavenly!(素晴らしいわよ!)”
と言っていたじゃあないか。どうやらそのひとことが私には妊娠に関するイメージとして定着していたようだ。まぁ、私の体の中で小さな人間ができて生まれてくるのだから確かにミラクルだし、最終的には私も Heavenly というホストマザーの言葉に大賛成だ。結局寝苦しさは友人から譲ってもらった抱き枕で対処した。

アメリカでは通常産後2-3日で病院から帰宅する。私も3日目に帰宅した。予想よりかなり早く産まれたので、仕事のある義母が都合をつけてテキサスから来てくれたのは1週間たってからだった。最初の1週間は夫が育休をとってくれた。
「全部やるから」
と家事をこなしてくれたが性格柄じっとしていられない私は帰宅後2日目に皿を洗っていた。後で、
産後は休まなきゃダメよ!
と義母から優しいお叱りの言葉を頂いたのだった。

そしてこれをイチバンお伝えしたい。産後は早めにお腹のたるみ治しと骨盤矯正を!ベルト・ガードル・ニッパー、色々あるけれど全く注意を払わずにいた私はいつまでもお腹がポッコリだった。息子が2歳になる頃になってお腹がいつまでも大きいということを母親と話していて(というか、あんた太ったわね、という話題から)
「えぇっ!?産褥ベルトしなかったの?」
と言われて初めてそういうものをするのだと知ったのだった…。時すでに遅し。全く何もしなかった私は今でも見事な産後体系とおつきあいをしている。

もうひとつ産後しばらくおつきあいしたものに手根管症候群 (Carpal Tunnel Syndrome) なるものがある。産後1週間後くらいからか指先がビリビリと痺れ出した。特に医師の診断を受けたわけではないがインターネットで調べて自分でコレだなと思った。鍼とかマッサージとか試してみたたけれどあまり効き目のないまま放っておいたら息子が4歳になる頃には全く気にならなくなっていた。

今これを読んでくれているあなたが妊婦さんだったらぜひ参考にして頂きたい。

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