NYUオリエンテーション

この春、姪が大学生になった。先月のオリエンテーションに始まりサークル選びや授業登録、そして新しいお友達もできていつも楽しそうに帰宅する。話を聞いているうちにこちらまでワクワクしてきちゃう。そして、私もそうだったなぁとか時代が変わったなぁとか色々感じる。自分が大学生になった時…と言っても日本で最初に大学に入学したのは気が遠くなるほど昔の話であまり覚えていないが、2002年にニューヨーク大学(NYU)の大学院に入学した時の事は今でもよく覚えている。

アメリカの年度は夏休みの終わり、8月末くらいから始まる。時期は違えど様々なオリエンテーションから始まるのは日本の大学と同じだ。NYUはマンハッタンのグリニッチ・ヴィレッジにあるが、いわゆるキャンパスというものがなく、施設や教室が周辺のビルに散在する。私が専攻したミュージックビジネスのオフィスは West 4th Street にあって、授業は同じビルの時もあったし、向かいのビジネス・スクール側だったり色々だった。そして学期中はほぼ毎日のように行っていた図書館はワシントンスクエア・パークの南側。

さて、オリエンテーション初日。ドキドキしながら会場に向かうと大きめの講義室にたくさんの学生が集まっていた。ちょっと意外だったのはアジア人、特に台湾人留学生が多かったことだ。NYUは私立で実は授業料が恐ろしく高い。私は学生ローンのお世話になったのだが、台湾からの留学生はリッチなお家のご子息・ご令嬢が多かった。会場の3分の1くらいはアジア系だったと記憶している。

この最初のオリエンテーションは学部主催のもので(大学のあまりの規模に流石に学校全体のものはなかった)、ニューヨークに初めて住む学生が殆どという事実を前提に犯罪対策や注意喚起の時間帯があった。人だかりがあって興味をそそられてもその人だかり自体が犯罪集団でグルになって騙されることもあるので気をつけましょう、とか。毎年学生が色々な犯罪に巻き込まれるのだろう。私もニューヨーク・シティに住み始めたばかりだったからへぇ~っと驚きながらも注意深く聞いたのだった。進行役のスタッフが
「皆さん、シティでこれからやってみたいことは何ですか?」
と訊ねると、一人の留学生が “Sex in the City!” と興奮しながら発言するシーンがあり、大爆笑を誘っていた。

学部に続いて学科のオリエンテーションもあった。ここは次の2年間一緒に勉強していくクラスメートと初めて顔を合わせたところだ。一番前の、教壇から少し右手の席に座っていると、“Hello.” と少し恥ずかしそうな笑みを浮かべながら隣に座った女の子。ローラとの出会いだった。これが縁で彼女は私のNYU時代のベスト・フレンドとなった。

スコットランドからの留学生だった彼女は著作権を専門に勉強してきた才女で、最終的には母国で弁護士になった。かなりの速さで本を読むローラ。母国語も英語だから勝ち目などないのは当然なのだけれど、彼女と一緒に勉強していると教科書を同時に読み始めても休憩時には倍くらいの差がつくので焦ってしまうのだった。
「“千と千尋の神隠し”のDVD、日本語のがあるから見においでよ!」
と言われて行くと実は中国語で、英語の字幕を読みながら見たなんてこともあったな。とにかく彼女とは楽しい思い出がいっぱいだし、最近スコットランドでママになった彼女とは事あるごとに連絡を取り合っている。他にもメキシコ系のルネやポーランド系のマレックとか、バックグランドも様々なクラスメートと授業の後バーで集まったりしたなぁ。そして皆、その後もずっと音楽・エンターテイメントの業界で大活躍している。

姪は私とは違って頭脳明晰な理系女子。これからたくさんの出会いや経験が待っているんだなぁ、と思うと私までドキドキだ。悔いの無いようにやりたいことに色々トライしてもらいたい、と叔母のMegちゃんは願うのだ。


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